選定の道(2021年1月掲載)
PDMシステムは、会社・部門の基幹となり、多くの社員に影響を与えるため、その選定は難しく責任も大きなものでした。
会社の上層部から大きな方針が示されれば、スタートは可能です。
それでも、なぜPDMが必要かを説明して予算を取ります。
この時点で、十分な権限や予算、期間を与えられることはまれで、いろんな部署(グループ)のいろいろな要求を調査し、擦り合わせる為に神経を使い、説得するのに知恵を絞り、システムの仕様をまとめます。
同時に、システム選定を進めなければなりません。
なぜなら、技術的に実現できなければ、いくら仕様を考えてもそれは意味がありません。そのため、早急に要求仕様書を書いて(イメージがあれば口頭でも良いと思います)、この仕様を実現する事が可能か、各ベンダーに検討してもらいます。何しろ、予算の範囲もありますので、できる事、できない事の判断は機能や技術面だけではありません。ベンダーからプレゼンテーションを受けて、ディスカッションして、見積もりをもらい、その中からシステムを選定します。
PDMシステム決定因子は
何でしょうか?
これは、「システムを理解できたか!」に尽きると思っています。 できる事、できない事がシステムとして理解できていれば、別案や応用を検討する事が出来るからです。現在の仕様は、今の時点での決定事項にすぎません。別のアイデアが出た時に、システムを理解できていれば、運用の変更も拡張も考えることができます。システム管理者だけでなく、利用者が理解できるシンプルな仕組みである事は、重要な事だと思います。
そして、もう一つ大きな因子があります。コストです。導入コストは低いほど良いのは当たり前です。決済のために何処まで登らなきゃならないか考えて憂鬱にならなくて済みます。そもそも、一桁もコストが抑えられたら、精神的な余裕になります。カスタマイズにかける費用に回せますから。
結局、当たり前の事なのですが、機能とコストを理解して、いろんな意味で
「このシステムならこの先も何とかなりそうだ」
と思えるかで決まると思います。
「そのシステム」を導入するのが目的ではなく、
業務を支える仕組みを構築し、
運用することが目的なのですから。